メエルシュトレエム・大渦巻
光の
間をおいて
ビリビリしびれる
つぎつぎ
われる
もう外へ出る
「プルルルルルル」
「
「バランスをとるため、
おちつきはらった声で、ナレーターがいいました。
だれも
「ガコンッ」
ショックがつたわり、オレンジ色の三角形のパラシュートが、まっ黒な海中になげこまれました。
ソルはゲンナリしてきました。
「いつまで、つづくんだよ!」
シートに
「いってーな!」
はいつくばって
後から気がついたのですが、
だれかが、さけんでいる気もしますが、
どれくらい時間がたったでしょう?
ほんのちょっと、
りょう手をつき、
「おーい」
「……」
「おーい」
「……」
「おーい」
きょくたんに光の落ちた
「なんだ、ねてんのか」
彼は気がぬけました。
フラつきながら、くるぶしに力をかけ、ななめに立ち上がりました。バランスをとりながら、そのまま
まっ黒な
すわって、すべり台のように
「なんだよ、コレ」
よろめきながら、また
パッパッと、
ぬり
あっちがわの、あのボヤけたところが、下なんだ!
それは下ではなく、まん中でした。しぶしぶ
彼は
ぼーっと
ひざが
「う"わー!」
とつぜん
「バカバカしい、やめやめ」
つかんだ!
もしかしてオレ、(生まれて)はじめて、カンオンにさわったかも?
カンオンはヒンヤリして、かなり
やっぱり、こわれてるのかな?
そうか、わかった。エネルギー切れか!
ん? まてよ。
はやくね? なんかエネルギー切んの、はやくね?
そうか? そうでもないだろ?
う~ん……
彼は
はっとなって、そんなこと考えてるばあいかと気をとりなおします。カンオンをふったり、
たぶん、まだ生きているな。
「つけ」
ささやくように。
「つけ、つけよ」
せっつくように。
「あかりつけ!」
ぼやんと、氏にかけのホタルのような明かりが、
「チッ、やっぱエネルギーか」
まったく、わるいことしか、おきないのかよ。
彼は
「!」
光と
ストロボみたいに
どぎまぎした
光に
その
彼は、ぼそっと言いました。
「なんだよ、」
「だれなんだよ、おまえ」
おそるおそるジュリは、目をあけました。さっきまでの
あたりを、うかがうジュリ。
目をつむって歯をくいしばり、
暗がりの中、となりのニ人の
「みんな、なにしてるの」
「ねてるの?」
きゅうに
わたしだけ?
え、わたしだけ?
「うそでしょ」
「まーた」
「ほんとは、カンオンつかえるんでしょ?」
「ねたフリなんかして」
「わたしのカンオンに、なんかしたの?」
「……」
「いやいや、しってるって(笑)」
「しってんだから、ソル(笑)」
ゆかで
「ハイハイ、もういいから」
「もういいって」
「いや、もういいから」
「……」
「だから、もういいって!」
「タチわるいな、子どもかよ!」
「おい、いいかげんにしろ!」
「いつまでやってんだ!」
「もう、やめろ!」
「おい!」
「おい!」
「おい!」
「…………」
いのりながら、なにかを
ジュリが氏という
まっても、まっても、なにもかえってきませんでした。
「もう、いじわるしないで……」
ジュリは
彼女は
それは
ジュリは、ぞっとしました。
じぶんだけが、それから
こんなことって、ありえない!
彼女は心の中で、
なのに、なんで、わたしだけ?
「ねえ、なんで、わたしだけ!」
「ありえない! ありえなくない?」
「なんで、わたしなの?」
「なんで、わたしだけなの?」
「おかしくない?」
「ねえ、ねえ(笑)」
じぶんが、だれかの
「そうだソル。ソルよ。」
「そうにきまってる」
「パシャン。チャポン、チャポン」
音を立てて、なにやら
「クソあとチョット。あとチョットなのに!」
とつぜん
チャコールグレーの
さっそく彼は、
「パシャン。チャポン、チャポン」
くりかえし、くりかえし、なげこむニコライ。
「入れよ、クソ! 入れ!」
気もちてきに
引き上げる時が、また
やったぞ!
オレ一人で、やったんだ!
彼は、ほこらしく、まんぞくでいっぱいでした。
引きよせながら、うすうす感づいていましたが、それは、きのうソルがなげた
「これ、もうオレのだよな!」
彼はじぶんが
もう、あいつがなんていったって、かまうもんか。
見つけたのはオレなんだ。
オレがひろわなきゃ、そのまま、海に消えてたんだからな。
オレが、がんばって
むしろ
ざんねんでした、ごくろうさん。
くろうしたのはオレか(笑)。
もうこれ、オレのモンだから(笑)。
彼は目をかがやかせて、それに
じつはマリは、この
彼女はじぶんが、ママに
というより、
むしろ、
てか、
マリはじぶんでも、じぶんの気もちが、よくわかりませんでした。
彼女はエリゼに入れられたことを、うらんでいました。母親に
ママの
マリは母親のことがキライで、それいじょうに好きでした。
ほんとうは、彼女が
じつはマリは、ジュリのことがキライでした。でも、ほんとうは彼女のことが、うらやましかっただけ、なのかもしれません。
明るいジュリ。女子のグループで中心のジュリ。キャッチャーに
それどころか、まるでママ気どり!
いったい、なんなの!
彼女としては、
でも、なんかちがう……。
じぶんが
うばわれていた
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